- 赤ちゃんのミルクは湯冷ましとミネラルウォーターどちらで作ったら良い?
- ボトルウォーマーなどを使った保温状態でミルクの作り置きはOK?
このような悩みを解決する記事です。
体に良いイメージがあるミネラルウォーターですが、赤ちゃんの身体には悪影響になってしまうことも。
しかし、ミネラルが少ないものであれば大人用のミネラルウォーターでも赤ちゃんのミルクに使えます。
本記事では、ミルクを作る上での、湯冷ましとミネラルウォーターのメリットデメリットや注意点を紹介していきます。
正しい知識で安全にミルク作りを時短できると育児に余裕が生まれます!ぜひ活用してください。
前提としてミルク作りは「純水」で作る必要がある!
ミルク作りのポイント
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純水とは「不純物」や「電解水」が入っていない水のこと
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水道水なら「10分以上沸騰させた水」を使う
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ミネラルウォーターなら「軟水」を使う
純水とは「不純物」や「電解水」が入っていない水のこと
不純物や、ナトリウムやカリウムといった電解質を除去した純度の高い水を純水といいます。
純水をミルクに使うことで、粉ミルクのミネラルバランスを崩さず、また赤ちゃんの内臓に負担をかける心配もありません。
水道水なら「10分以上沸騰させた水」を使う
水道水にはカルキ(塩素)やトリハロメタンなどの不純物が含まれています。
大人は摂取しても問題ありませんが、赤ちゃんには除去して与える必要があります。
これらの不純物を除去するためには、以下のような手順で10分以上水道水を沸騰させる必要があります。
湯冷ましの作り方
- やかんや鍋に水道水を入れ、フタを開けたまま強火で沸騰させる
- 沸騰したら、さらにそこから10分以上煮沸する
- 10分以上煮沸したら、お湯が人肌の温度になるまで冷ます
トリハロメタンは沸騰直後に増加し、沸騰直後には増加する性質があります。
そのため、10分以上煮沸を続けて揮発させることで除去する必要があるのです。
ちなみに、湯冷ましの正しい保存方法は以下で詳しく解説しています。
続きを見る
ミルクに使う水の湯冷ましを保存する方法2つ!おすすめの容器も紹介
ミネラルウォーターなら「軟水」を使う
ミネラルウォーター全てがミルク作りでNGなわけではありません。
ミネラルの含有量が少ない「軟水」であれば、赤ちゃんの内臓にかける負担が小さいので使うことができます。
WHOの基準でいうと、硬度60mg/L以下の水が軟水に該当します。
WHO(世界保健機関)の基準では、炭酸カルシウムの含有量が 60 mg/L 以下の水を軟水、60~120 mg/L の 水を中硬水、120~180 mg/L の水を硬水、180 mg/L 以上の水を超硬水としています。
普段硬度を見てミネラルウォーターを買う方は少ないかもしれませんが、例えば以下のお水が軟水です。
コンビニでも買える軟水
- コカ・コーラ いろはす:硬度31.8㎎/L
- サントリー 南アルプスの天然水:硬度30㎎/L
- アサヒ飲料 おいしい水 天然水:硬度30㎎/L
- ファミリーマート 新潟県津南の天然水:硬度17㎎/L
- クリスタルガイザー:硬度38㎎/L
湯冷ましでミルクを作るメリット・デメリット
湯冷ましでミルクを作るメリット・デメリットを紹介していきます。
湯冷ましでミルクを作るメリット
湯冷ましを使ってミルクを作るメリットは以下の2つです。
コストを掛けずミルクが作れる
湯冷ましは水道水で作ることができるので、ほぼ水道代と粉ミルク代のみでミルクが作ることができます。
水道料は地域によって差がありますが、1Lあたり0.2~0.3円程です。
そのため、湯冷ましを使うとコストを抑えてミルク作りができます。(参考:東京都水道局)
10分以上沸騰させることでしっかり殺菌できるので安全
10分以上沸騰させて冷ますことは手間ではありますが、逆にそれを行えば水道水をしっかり殺菌することができます。
水道水を使って、安全にミルク作りができるという点は湯冷ましのメリットでもあります。
湯冷ましでミルクを作るデメリット
逆に、湯冷ましを使ってミルクを作るデメリットは以下の3つです。
ミルク作りに時間が掛かる
湯冷ましを作るには、10分以上煮沸した後に、冷ます時間もかかります。
それをミルク作りの度に行うと膨大な時間がかかってしまうことにもなります。
保存方法が良くないと菌が繁殖する
日本では水道水の殺菌のために塩素が使われています。
湯冷ましはこの塩素を除去してしまっているため、雑菌が繁殖しやすい状態になっています。
そのため、保存方法が悪いとせっかく手間をかけて作った湯冷ましに菌が繁殖してしまうことになるのです。
作り置きできないので毎回作る必要がある
ミルクを作り置きした場合の危険性や注意点は以下の記事で詳しく紹介しています。
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保温状態でのミルクを作り置きは可能?注意点やおすすめグッズを紹介
ミネラルウォーターでミルクを作るメリット・デメリット
ミネラルウォーターでミルクを作るメリット
ミネラルウォーターを使ってミルクを作るメリットは以下の3つです。
短時間でミルクが作れる
湯冷ましを作るには10分以上の煮沸と、それを冷ます時間が必要なのでミルクを作るのに時間がかかります。
さらに、湯冷ましは雑菌が繁殖しやすく作り置きが難しいため、かなりの頻度で湯冷ましを作らなければなりません。
一方、軟水のミネラルウォーターを使えば、煮沸をしたりする手間なく短時間でミルクを作ることができます。
安全性の高い水でミルクが作れる
日本のミネラルウォーターは食品衛生法第13条に基づく「食品、添加物等の規格基準」によって、殺菌・除菌を行うよう定められているため安全性が確保されています。
硬度さえ気をつけてしっかり軟水を選べば、赤ちゃんにとっても安全なお水を与えることができます。
食品衛生法ではミネラルウォーター類は原則、殺菌・除菌が必要であると規定されており、主に日本の製品はこちらに該当します。
長期間保存できる
ミネラルウォーターに設定されている賞味期限は、メーカーによって異なりますが、1.5〜2 Lのもので2年程、500mlのもので1年程
ミネラルウォーターでミルクを作るデメリット
そして、ミネラルウォーターを使ってミルクを作るデメリットは以下の3つです。
種類によっては赤ちゃんの体に負担をかけてしまう
前述の通り、赤ちゃんに与えるミネラルウォーターは、硬度0の純水か硬度60mg/L以下の軟水である必要があります。
硬度が高いミネラルウォーターを与えてしまうと赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまうので、お水の種類は気をつける必要があります。
毎回コストがかかってしまう
1Lのミネラルウォーターは安く購入しても150円前後です。
一方で、水道料は1Lあたり0.2~0.3円程なので、水道水で湯冷ましを作るよりミネラルウォーターの方がコストがかかります。
水を買う必要がある為、買い物が負担になる
ミネラルウォーターでミルク作りをする場合、お水を大量に消費するため買い物の頻度も上がります。
赤ちゃんを連れての買い物はただでさえ大変です。
重たいミネラルウォーターを毎回購入していると買い物がより負担になってしまいます。
湯冷ましやミネラルウォーターで割り水をする際の注意点
赤ちゃんのミルクを作る際、70℃以上のお湯で溶かした粉ミルクを、湯冷ましやミネラルウォーターで割ります。
湯冷ましやミネラルウォーターで割り水をする際は、以下の点に注意しましょう。
割り水をする際の注意点
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事前に石鹸でしっかり手洗い
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ミネラルウォーターは開封後、2~3日以内のものを使う
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湯冷ましの場合はなるべく当日中に使い切る
事前に石鹸でしっかり手洗い
せっかく清潔なお水を使っても、手から雑菌が入り込んでしまっては意味がありません。
ミルク作りをする際は念入りに手洗いをするようにしましょう。
ミネラルウォーターは開封後、2~3日以内のものを使う
開封前のミネラルウォーターは、記載されている賞味期限通りですが、開封後は雑菌が入り込み繁殖して入ってしまいます。
常温であれば1日、冷蔵庫であれば2〜3日で飲み切るようにしましょう。
湯冷ましの場合はなるべく当日中に使い切る
前述の通り、湯冷ましは塩素が抜けているため、雑菌が繁殖しやすい状態になっています。
そのため、正しい保存方法でできるだけ当日中に使い切るようにしましょう。
詳しい湯冷ましの正しい保存方法は以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
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ミルクに使う水の湯冷ましを保存する方法2つ!おすすめの容器も紹介
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ミルク作りは湯冷まし・ミネラルウォーターでも正しい方法であればOK!
ミルク作りは湯冷まし、ミネラルウォーターのどちらを使っても問題ありません。
どちらもメリット・デメリットがあるので、安全に上手く使い分けてミルク作りをしましょう。
湯冷ましを作る手間や赤ちゃんに使えるミネラルウォーターを選ぶのが不安なら、ウォーターサーバーの利用がおすすめです。
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【ミルク作りのおすすめウォーターサーバー5選】選ぶポイントも徹底解説します。
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